お薬のこと

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オピオイドの適正使用 緩和領域におけるがん疼痛薬物治療 研修会報告

2019年4月20日 緩和医療の現場講座
オピオイドの適正使用
緩和領域におけるがん疼痛薬物治療

 

がん治療にはがん治療に係る医療従事者のコミュニケーション能力やチームワーク、医療システムについて求められていると20年前から言われていた。
JAMA. 2002 Feb 20;287(7):875-81.
PMID: 11851580
1.コミュニケーション能力
2.疼痛と症状のコントロール
3.チームワーク
4.医療システムの知識

 

なのに、オピオイドによる正しい知識を医療従事者でさえ勘違いしている部分もあります。
例えば、
がんと診断されたその日から、がん治療と緩和治療は並行して行うアプローチ方法が理想的であるが、
末期に使用しているとの印象を抱いている印象はまだまだある様子。
そこに対して薬剤師が正しく介入する余地はまだまだあるなと感じました。

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そして正しいオピオイドの使用を行うためには患者の全身状態の正しい評価が出来ることが求められてくる。

つまり「now」の「症状」をリアルタイムに評価(アセスメント)することである。

症状を評価する際に、化学療法を行っていれば
その治療に対して予測される副作用のことは先手を打って、対策を行うべきだろう。
「症状がでた→対応する」では遅い。

 

痛みの種類については、
体性痛や内臓痛、神経障害疼痛があるが、それぞれの生理学的特徴と薬理学的アプローチを繋げ、頭に叩き込んでこそアセスメントに繋げることが出来る。
その痛みに対して評価をする方法は、NRSやVRSなどある。

また、それぞれを用いて患者に日記をつけさせるなど、痛みを客観的に評価してもらう方法、いわゆる認知行動療法に近いもの取り入れることも東京女子医科大学では行われているようである。


各薬剤の特徴は、腎機能低下時や肝機能低下時、天井効果、呼吸抑制、せん妄などに目の前の患者の状態に合わせて柔軟に選択していく必要性を感じた。
まさにEBMの実践と同じようであった。

患者の全身状態をアセスメントするときに用いる項目として
①体温
②血圧
③呼吸(SpO2)
④脈拍
(⑤尿量)

呼吸抑制について、呼吸数に注目ではなくSpO2、患者の主観的評価に注目。
主観的な症状[呼吸困難の定義](the American Thoracic Society 1999)

 

私個人の課題として、
①痛みの種類の特徴が頭に入っていない
②その種類から、薬理学的アプローチが出来ていない
③患者に寄り添う、その前に身体的な疼痛をどうにかしようとしろ
④デルマトームが分かっていない
オピオイドの特徴が色付けられていない