エビテン参加しました。
今回は、
低用量トラマドールとNSAIDS併用は急性腰痛が慢性腰痛になるのを防げますか?
こちらの論文です。
PMID:27559448
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=27559448
慢性腰痛の診断が腰痛が2カ月以上続いている場合でした。
そこで、最初の1カ月でVAS5以下の人たちは、試験の登録に至らなかった部分がポイントでしょうか
また、NSAIDSの併用がありましたが、NSAIDSの種類は問わなかったようです。
そして、個人的に気になったポイントは
トラマドールのを漸増投与しているところです。
何故漸増療法で投与しているのか?
それは
Clin Ther. 2007 Jul;29(7):1381-9
PMID: 1782568
トラマドール/アセトアミノフェンのスタディですが、
漸増していくと吐き気や嘔吐などの有害事象の発生が少なかった。
これを参考にしているようです。
その影響なのか、今回の論文で発生した便秘など症状で中止したのは2名でした。
もちろん、制吐薬、便秘薬を併用しているトライアルだったのもあるかと思われます。
このような対応をしておけば、疼痛を和らげ、かつ副作用少なく治療に専念できるという可能性があると考えられそうです。
メトクロプラミドの長期使用は、錐体外路症状の懸念もありますし。
トラマドールの吐き気は初期の1週間以降は落ち着いてくることが多いようです。
【トラムセット®IF 国内長期投与試験(JNS013-JPN-05試験)より】