あむろ、いきまーす!
【抗菌薬の始まり】
抗菌薬が表舞台に登場したのは、1928年 アレクサンダー・フレミングがペニシリンを発見したことがきっかけと言われています。
しかし、その18年前(1910年)に今は使われていないが、パウル・エールリッヒ(1873年―1915年)と秦佐八郎(1873年―1938年)によって、梅毒治療に用いられていた「サルバルサン」という薬が、世界初の合成化学療法として開発されていました。
彼らが、開発する物語はどこかで書くとしましょう。
さて、
サルバルサンやペニシリンが発見されるまで、その当時原因不明だった、梅毒や脚気、コレラなどの疾患に対する治療方法は主に3つ行われていました。
②下剤や嘔吐剤による胃腸洗浄
③大量の血を抜く潟血
それらが、抗菌薬の発見と開発によって、治療方法が飛躍的に進歩しましたね。
お薬を飲むだけでいい。点滴に入れて投与するだけで良い ああなんていい時代だ。
そんな、
科学技術の進歩によって、1987年までに主な抗菌薬が開発されていきました。
日本化学療法学会雑誌 Vol.65 No2 抗菌薬を概観する より作成
【薬剤耐性菌というもの】
どんどん開発されていく抗菌薬。
そんな未来を見透かしたかのように、かのフレミングは、ノーベル賞受賞時講演(1987年)でこう発言しました。
「やがてペニシリンがお店で誰でも買えるときが来るかもしれません。そのとき、無知な人が安易に、過少な服用を行い、菌を殺すに至らない量の薬を微生物に暴露させることによって、菌を耐性化させる恐れが出てくるかもしれません」
抗菌薬が効かなくなる AMR(薬剤耐性)との闘いに人類は勝てるのか?忽那賢志 監訳 丸善出版より
多くの抗菌薬で自分たち細菌が殺されていく中、彼らも生き残るために必死なのです。
そんな細菌たちが、抗菌薬に対する耐性を獲得して生き延びよう!!!
とした結果、抗菌薬耐性菌というものが誕生! そして増加!!
さぁ 薬剤耐性菌とはどのようなものなのか、1つ例を挙げてみよう。
ヒトの皮膚に常にいる細菌と言われている、黄色ブドウ球菌というものがいる。
黄色ブドウ球菌に対して、先人は メチシリン という抗菌薬を使ってきました。
しかし、その抗菌薬に耐える能力を獲得した黄色ブドウ球菌が出現!!
くそっ、なんということだ。
僕らは彼らを、「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」と名付けた。
そのMRSAの耐性率が、1984 年には 6.2%であったものが、1987 年には 58%へと急増したとの報告があります。
薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(National Action Plan on Antimicrobial Resistance)2016-2020 厚生労働省資料より https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000120769.pdf
そんな耐性を獲得した菌が増えてきたのには、いくつかの理由があります。
- 同じ抗菌薬を何回も繰り返し使用してきた。
- ウイルス感染を疑われる症例でも抗菌薬を使用してきた。
- いろいろな細菌に効果的な抗菌薬でも使用してきた。
- 患者さんが処方された抗菌薬を途中でやめてしまう
- 医療機関における不十分な院内感染対策。
- 手指衛生や環境整備が不十分だった
- 畜産業、養殖などにおける抗菌薬の過剰な投与
- 新しい抗菌薬の開発が遅れた
そして、医師もなるべく患者さんの気持ちに寄り添いたい、楽になって欲しい、処方することで、安心してもらえるならと抗菌薬を出していたことも、もしかしたらあるのかもしれないですね(想像ですが)。
抗微生物薬適正使用の手引き 第一版より P31-32
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000166612.pdf
そんな中で、薬剤耐性菌に対して僕らが出来ることはなんだろう?
僕なりに調べて考えてみました。
1.外から帰ってきたら、手洗い・うがいをしっかりしよう
2.ワクチン接種をしよう
3.咳が出るときはマスクをするなど、咳エチケットを守ろう
4.抗菌薬を欲しがらないようにしよう
最も単純な方法は「手洗い・うがい」だ
手洗い・うがいとは、感染拡大を防ぎ、家族や周囲の人を守るという、単純かつ重要な任務なのだ
病原菌を全滅させる手洗いの方法は、「石鹸と水を使って15~20秒の手洗い」
コレ、結構長いですよ。
あいみょんのマリーゴールドなら、ちょうどイントロ部分ですね。
秦基弘の鱗も、ちょうどイントロ部分だ
斉藤和義の歌いたいのバラッドなら「ああ・・・歌うことは・・・」まで
ザ・ブルーハーツのリンダリンダなら、「ドブネズミみたいに、美しくなりたい」までか・・・