お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

トラムセット+プリンペランの併用って長期処方が多いですか?

今日はトラムセット+プリンペランの併用で調べたことです。

以前、

medical.nikkeibp.co.jp

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」の記事にもありました。

この記事を以前読んでからは、少し気にするようになった影響なのでしょうか
トラムセット+プリンペラン(もしくはドンペリドン)の併用はよく見かけています。
それも長期でDo処方

副作用については、吐き気、嘔吐についても気になりましたが、
それよりもメトクロプラミド長期投与による錐体外路症状の出現がないのかが気になりました。

 

その理由のひとつとして、

僕個人的に、20年くらいメトクロプラミドを消化器疾患のため服用しています。
時々、会議とか講義で大人しくしなければならないときに、足をじっとしていられない感覚に襲われます。
これはもしかして、アカシジアの一種なのだろうか?と考えるときがありますが、自分のなかでの出現頻度は低いため、アカシジアのリスクよりも、疾患に対応するベネフィットの方を選択して服用を続けています。

 

さて、話は戻して・・・錐体外路症状の頻度について何か情報はないのかと

メトクロプラミド 錐体外路症状 頻度 でググってもめぼしい情報には当たりませんでした。
(検索のしかたが下手なのかもしれないが・・・)

 

次に
僕の務める薬局では、ある医療機関からのセットになっている処方が多いので、そこの先生の処方頻度を分析してみました。
詳しい数字は社内のものなので、公開は出来ませんが、大まかに行ったことは

①トラムセット+プリンペラン
②トラムセット+メトクロプラミド(つまりGE)
③トラムセット単独
③トラマール+プリンペラン
④トラマール+メトクロプラミド
⑤トラマール単独
のそれぞれの数を1年間で限定して調査。
そこから、処方変更になった症例、継続投与の症例などを追跡
メトクロプラミドによる錐体外路症状が出現していないのか?

結果として、(設定した期間では)
錐体外路症状を疑い中止になったケースは無し。
吐き気が問題になって中止になったケースもなし。
症状(痛みが緩和されて)処方変更になったケースは数件
といった感じでした。


意外に、錐体外路症状が起こる確率は少ないのでしょうか?
それとも調査対象が数十人単位なので、出てこなかっただけなのか?
(設定した期間外であるここ数日は、メトクロプラミドで食欲変化やトラムセットの吐き気で処方変更などが出ました)

もう少し続けて調べてみようかと思います。

 

さて、上記の記事にもありましたように
トラムセット、主にトラマドールによる吐き気や嘔吐が生じるのは投与初期(1週間くらい)と捉えています。

トラムセットのインタビューフォームにおいても、1週間目が発症例数として多いですね。

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1次資料があるのか探してみましたが、社内資料でした。

今度、資料をみせていただけるかメーカーさんに電話してみようかな?

 

調査をした後に、上記のような症状があった患者さんがいたので、調査したレポートとまとめて、服薬情報提供書を提出してみましたが、特に今のところアクションは無いです(泣)

 

【感想】

今回初めて処方を分析して、薬歴と突き合わせることをしてみましたが、面白いですね。それに伴って自分もしっかり後から追えるような薬歴を書かねばと肝に命じました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。