お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

健康な高齢者にアスピリンを投与するとどのような影響がありますか?

Effect of Aspirin on Disability-free Survival in the Healthy Elderly
September 16, 2018 DOI: 10.1056/NEJMoa1800722

PMID:まだ載っていなかった?

P:70歳以上、オーストラリア、米国
E:アスピリン(100㎎)と服用 n=9525
C:プラセボを服用 n=9589
O:プライマリアウトカム:死亡、認知症、障害(複合アウトカム)
セカンダリーアウトカム:死亡、永続的な身体障害、主要出血性イベント

追跡期間:(中央値):4.7年

結果
プライマリアウト 1.01(0.92 to 1.11) P=0.79
セカンダリーアウトカム
死亡:1.14(1.01 to 1.29)
永続的な身体障害:0.85(0.70 to 1.03)
主要な出血イベント:1.38(1.18 to 1.62)
認知症:0.98(0.83 to 1.15)

盲検化しているか → randomized, placebo-controlled

ITT解析しているか → intention-to-treat(ITT解析)

1次アウトカムは明確化 → 明確

アウトカムは真か? → 真

吟味結果
服用してもしなくても、差は無かった。むしろ(セカンダリーアウトカムだが)出血と死亡率は増えるかもしれない
認知機能には影響を与えないかもしれない。
プライマリアウトカムが複合アウトカムなので、個々で見たら差が出るのかもしれないですね
漫然と投与を開始することを考えたら出血リスクを天秤にかけて少なくなるかも?
もし、(予防で使う)アスピリンを中止することが出来たなら、PPIも減らせる機会にかも?

ちなみにDAPTの期間も様々なstudyがでていいますが、完全な期間の決着がついていないので、こういう結果が今後影響されてくるかもしれないのかな


ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事は、特定の医薬品の推奨等する記事ではありません。
医師薬剤師と相談の上適切な医薬品使用を行ってください。