お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

ピルってなんだろう?

ご訪問ありがとうございます。
(特に男性の)皆さん、ピルって知っていますか?
ピルって避妊に使うイメージがありますよね? 
実は、治療薬としても使えるんですよ!!
 
知ってました?
 
ピルの仕組みを利用して、治療に用いることが出来る理由は女性のホルモンを調べると分かってきます
 
言い換えると、月経=生理の仕組みを使うと、それに関する病気の人で悩んでいる人には治療薬として使えるのです!!
 
さてさて、ピルとはなんぞや??
ピルは医薬品なのです。その成分は黄体ホルモンと卵胞ホルモン2つが配合されたもの
はい、終わりです(笑)
 
でも、これじゃあ記事にした意味ないですね。。。。
 
 
よし、もう少し深く掘り進みましょう!!
黄体ホルモン、卵胞ホルモンってなんですかね?
たぶん、女性ホルモンだと思う・・・と予想はつくと思います。
じゃあ、女性ホルモンってどうやって出て、どうやってはたらいているんでしょうか?
まとめてみました
 
まずは、女性ホルモンの分泌調節について ちょっと難しくなるかも・・・
女性は、約1ヶ月周期で性周期を持ちます。その周期を調節するのは視床下部-下垂体-卵巣系といったラインです。(下の図を見てね)
成長して性機能が成熟をしてくると、
視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(Gn-RH)というホルモンが分泌される
②Gn-RHの放出(命令)を受け取った下垂体の内、下垂体前葉は卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体刺激ホルモン(LH)というホルモンが分泌される
③FSHを受け取った卵胞は卵胞の発育とエストロゲンの放出をする
④発育した卵胞にLHが作用して排卵が起こる⑤卵を出した殻は黄体になる
⑥黄体からエストロゲンプロゲステロンを放出する
プロゲステロンエストロゲンは子宮内を着床しやすい状態に整える(ベッドをフカフカにする)
⑧受精しなかった場合黄体からのプロゲステロンエストロゲンの分泌は減っていく
⑨妊娠が成立しなかった場合、エストロゲンプロゲステロンの分泌低下によってフカフカにした子宮内膜は排泄される=出血する=生理が起こる=月経した=おりものが出た
⑩①に戻る。

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各種薬剤師国家試験予備校資料より作成

 

基本はこんな流れでからだの中のホルモンが流れて生理が起こっています。
ここで出てきた、ゲスタゲン=プロゲステロン(黄体ホルモン)エストロゲン(卵胞ホルモン)が主に女性ホルモンとして取り扱われます。
 
④をLHサージといって排卵予測に使う。
(この数日後、体温が上がるので、体温計で計って排卵を予測することもしています)
今は、排卵予測の簡易キットがあります。この簡易キットはLHをターゲットとして検査しています。
 
~ちょっとだけ薬学で習う話~
LHをターゲットとして測定する検査キットは抗原抗体反応を利用したサンドイッチ法を用いています。
金コロイド粒子や着色ラテックス粒子等で標識した抗体と尿中LHを結合し て、複合体を形成させた後、複合体を更に判定部上に固定化された別の抗体で捕捉することで、判定部が着色され LH の有無が確認できるものです。
評価結果報告書 (平成 27 年 10 月 26 日 )
この資料の中にLHサージに関する図があるからぜひ見てね
 
 
ポイント!
分泌されるエストロゲンプロゲステロンが持続的にでていると、視床下部や下垂体前葉に作用して
「これ以上刺激(分泌)しなくて良いよ!」
と指令を出すことで、次の排卵が起こらない状態を作ります。=ネガティブフィードバック
→妊娠中はこの状態です! 
妊娠中に新しい排卵は起こらないのは、エストロゲンプロゲステロンが持続的に出ているからです
→この状態にするためにピルを服用する
 
 
→この仕組みを利用して、
出血が多くて困っている病気の人が子宮内膜の出血を起こさないようにするために、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの両方が配合された、お薬を飲むことでコントロールする事が出来ます。
しかし、ホルモンの調節を完全にコントロール出来る訳ではないので、出血が少なからず起こることがあります。
 
 
まとめると
ピルを飲むことで
①不正出血を抑制、②生理不順を整える(生理の周期がバラバラになっているのを整える)
が期待出来ます。
 
今回は女性ホルモンの仕組みについてまとめてみました。
なんでこれを小学校や中学校の性教育で男子には触れないんですかね?
もう少し簡単でもいいので、触れる、学ぶ機会が必要だと思います。
 
次は、PMSについて書いてみましょう?
(気力があったら 笑)