お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

ゾフルーザの作用機序を描いてみた

ゾフルーザ(パロキサビル)の作用機序を読んでもよくイメージが掴めないので自分なりに絵を描いてみることとした

********作用機序********

キャップ依存性エンドヌクレアーゼ活性を選択的に阻害することで宿主細胞由来のmRNA前駆体を特異的に切断する。

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とはどういうことなのか? メーカーのホームページを訪れてみたがいまいち分からない。カラーすぎて何が何なのかわからない。

こんな時は原点に立ち戻って、セントラルドグマから復習しよう。

 

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この流れがセントラルドグマ

で、mRNAが出来るのを阻害するのだから、転写を阻害するということですね。

では、転写をズームアップして見てみると、以下の図のようになる。

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スプライシングにエンドヌクレアーゼが使われているようです。

ここを阻害するんですね。そして「キャップ依存性」とは最初に転写したときに5′位末端にキャップ構造を持つ7-メチルグアノシン、3′位末端にポリA構造(150個のアデニル酸)が結合されます。

スプライシングに利用されている5′位キャップを目印にして内部から切っていく酵素(=エンドヌクレアーゼ)を阻害している。

だから結果的にウイルス由来mRNA合成が阻害される

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絵を描くとおそらくこの機序だと思われる。

まだまだ誤っている箇所があったら教えてください。