今まさにインフルエンザが流行していますね。
私の店舗にも毎日インフルエンザの患者さんがいらっしゃいます。
さて今回はアブストしか読めませんでしたが、そんなタイムリーな論文を読んでみました。
PMID: 29284320
<インフルエンザA型に感染した日本の子供における4種の抗インフルエンザ薬の比較>
P:4~12歳の子供、日本、インフルエンザA型に罹患、n=123
E:
C:ペラミビル(注射)、オセルタミビル(経口)、ザナミビル(吸入)、ラナミビル(吸入)
O:インフルエンザウイルス力価に基づくウイルス排出までの時間
オープンラベル
ランダム化比較試験
【結果】
主要エンドポイント:ペラミビルVSオセルタミビル→ペラミビル治療群の方がウイルス排出時間が有意に短い(p=0.0035)
ペラミビルVSザナミビル、ラニナミビル→有意差なし
1:発熱の解消までの時間 2:症状緩和までの時間→グループ間の有意差なし
※ペラミビル治療群は発熱や陽性ウイルスによる再発率が他の群と比べて小さい。
【感想】
アブストしか読めなかったのですが、主要エンドポイントでない「発熱解消までの時間と症状緩和までの時間」にグループ間で差が無かったことは、抗インフルエンザ薬による効果はインフルエンザ症状からの緩和を目的とした投与ではなく、あくまでもインフルエンザウイルスの増殖を抑える目的であるのだと改めて感じました。
薬剤の選択には患者の生活スタイルや性格、手技の難しさ(特に吸入薬)などで使い分けても症状緩和に差が無いことは、とても喜ばしいことではないだろうか?
拝読ありがとうございました。参考になれば幸いです。