関節リウマチの治療でメトトレキサートを使う場合に葉酸(フォリアミン®)を使いますよね。なんであの間隔を開けないといけないんでしょうか?
葉酸の作用を振り返りながらガイドラインを読み、まとめてみました。
5mg/週以下をメトトレキサート(以降MTX)最終投与後24~48時間後に投与する。通常フォリアミン®を使用。重篤な副作用発現時には活性型葉酸製剤ロイコボリン®を投与する(ロイコボリン®レスキューという)
ロイコボリン®の投与について
症状を伴う血球減少のような重篤な副作用発現時は、ただちにMTXを中止してロイコボリン®を投与。
- ロイコボリン®錠10mgを6時間ごとに経口投与
- ロイコボリン®注6~12mgを6時間ごとに筋注、静注
※ロイコボリン®の1日投与量はMTX投与量の3倍程度を目安とする。
葉酸(フォリアミン®)
ジヒドロ葉酸
テトラヒドロ葉酸
ロイコボリン®
<クリニカル・クエスチョン>
葉酸投与はなぜMTX投与24~48時間後なのか?
A.MTX投与後の半減期の分布相以内の時間で投与すると効果が減弱した症例あり
→このことからMTX投与後2~3時間以内に葉酸を投与するとMTXの効果が減弱するといえる。
【半減期について】 リウマトレックスのインタビューフォームよりp23
ただ葉酸製剤とMTXとの投与間隔についての明確な結論はでていない。
【引用論文】
PMID:3260783
関節リウマチ患者7人、無作為、MTX10㎎、フォリン酸15㎎/回×3回、MTXによる悪心が減少、関節リウマチ症状悪化(7人全員)
PMID:768158
2重盲検、プラセボ対照、
P:関節リウマチ患者27人
E:プラセボ群:14人
C:フォリン酸投与群:13人
O:関節リウマチ症状の変化
結果:E群:統計学的に有意に悪化、C群:著しく悪化