お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

まとめてみたシリーズ 麻薬

今年もあと数日で終わりですね。

年末でもありますが、月末でもあります。 月末といえば麻薬や向精神薬、毒薬、覚せい剤原料の締めを行うところもありますよね。

今年も沢山麻薬を払い出したなぁ、あの患者さんもいたなぁと今年一年に思いふけながら数えていました。

それにしても麻薬の30日投与制限しっかりと確認していなかったなと反省し、まとめてみました。

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こうやって見ると30日処方のほとんどは鎮痛ラダーの強オピオイドがほとんどですね。鎮痛ラダーってなんですかね?

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「鎮痛薬の使用法」は、治療にあたって守るべき「鎮痛薬使用の5原則」と、痛みの強さによる鎮痛薬の選択ならびに鎮痛薬の段階的な使用法を示した「三段階除痛ラダー」から成り立っている。

<5原則>

①経口的に(by mouth)

②時刻を決めて規則正しく(by the clock)

③ 除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder)

④ 患者ごとの個別的な量で(for the individual)

⑤その上で細かい配慮を(with attention to detail)

www.jspm.ne.jp

第一段階:軽度の痛みに対し非オピオイド鎮痛薬(NSAIDsやアセトアミノフェン)を開始する。
第二段階:軽度から中等度の痛みに対し、弱オピオイドコデインやトラマドール)を追加する。
第三段階:中等度から高度の痛みに対し、弱オピオイドから強オピオイドモルヒネフェンタニルオキシコドン・タペンタドール)に切り替える。この4種類のオピオイドで管理が困難な症例にメサドンを考慮する。

日本ペインクリニック学会

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3段階に分けて使い分けているんですね。

ちなみにオピオイドを副作用など用量に合わせて、使い分けて切り替えていく方法を「オピオイドローテーション」=「オピオイドスイッチング」といいます。

それにしても、タペンタドールが唯一30日投与制限の中に入っていないですね。14日投与制限の方に入っています。どうせなら30日にそろえれば良いのにとは思いますが。


モルヒネコデインの関係性って忘れがちですよね。どっちからどっちに代謝するのか

コデインについては小児科学会で中毒などについて話題になりました。

12歳未満の小児に対するコデイン類含有医薬品の使用についてコメントがありました

http://www.jpa-web.org/blog/2017/06/20/111

厚生労働省のコメント→

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000168848.pdf 平成29年6月22日

https://www.pmda.go.jp/files/000218747.pdf 平成29年7月4日

この代謝図をみればモルヒネ中毒への懸念が分かりますね。

 

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参考になれば幸いです。