お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

保険証は何故見せなきゃいけないの? 

保険証はなんでまた見せなきゃいけないんだ?!!

調剤薬局で働いたことのある薬剤師さんや事務さんならばこの一言を聞いたことがあると思います。

もしかしたら、患者さんの中にも思っている方がいらっしゃるかもしれません。

今回は『何故?』を2つに分けて説明していきたいと思います。
①保険証ってなに?
②病院と薬局って違うの?

①まず、『保険証』ってなんですかね?

患者さんは『被保険者』といいます。
『被保険者』はサラリーマンならば会社に保険料を払っています。その証明として『保険証』を交付します。
その会社を『保険者』といいます。

例えば、3割負担の場合、残りの7割が必要になってきます。残りの7割をどこに請求するのか?という事になります

病院やクリニック、調剤薬局などの医療機関は、2つの機関に請求を行います。
社会保険診療報酬支払基金
http://www.ssk.or.jp/smph/index.html
国民健康保険団体連合会
http://www.tokyo-kokuhoren.or.jp/(東京都)

2つの機関を通して、『保険者』に請求が行きます。
そして
『保険者』→『支払基金』『団体連合会』→『医療機関』の順でやっと病院や調剤薬局に支払われて行きます

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②病院と薬局って違うの?
違うんです(博多華丸さん風に)

結構、患者さんの中でさっき病院で見せたからいいじゃん!!めんどくさいなー!!
と仰る方がいらっしゃいます。気持ちは分かります。すごーく分かります

しかしながら、病院と薬局は繋がっているようで繋がっていないんです。
患者さんの中に病院やクリニックの側にある調剤薬局とは全く経営的にも構造的にも繋がっていません。『独立』しています!

そんな独立した調剤薬局に、医療機関から患者さんの保険証情報が流れてきたら、恐ろしいですよね?
だから、調剤薬局は患者さんの保険証情報は全く知らないのです。

医療機関から処方せんを持ってきていただくと、処方せんに保険証情報が記載されています。
これが『間違っている』ことがあるのです。(保険証を確認して入力するのは人間ですからね、エラーもあります。ええ、結構)

保険料を正しく請求をするためにも、個々の患者さんに保険証の確認をさせて頂いております。

今回は保険証というキーワードでお話しましたが、乳児医療証や各障害を証明した医療証もこの話に含まれてきます。
どうか、患者さんと医療機関が気持ちよく過ごせるようにお互いの理解を進めていけたら嬉しいです。