お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

11月14日は世界糖尿病デー です

11月14日は、世界糖尿病デーです。

毎年東京タワーやスカイツリーが青色に染まる日ですね。

 

糖尿病は身近な病気になった印象です。

 

2016年に厚生労働省が調査した結果では、

糖尿病を強く疑われる者:1000万人

糖尿病の可能性を否定できない者:1000万人

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou_7.pdf

と出されました。

 

私の身内も糖尿病です。

私が小学生だったころ、口渇や脱水など高血糖症状を訴えていた彼女に対して糖尿病診療について助言できなかったのが悔やまれます。

そのときに診療を受けれらていれば、今はもう少し膵臓の働きを保存することが出来たのではないかと後悔です。

 

さて糖尿病の内容は他のツイッターでご活躍の先生方がブログに挙げてくださると思いますので、私は低血糖についてお話しします。

 

低血糖とは

血糖値が低くなることです。 何故血糖値が高い糖尿病の人が低くなるのか?

①食事がいつもの時間から遅れてしまった

②食事量(おもに炭水化物)が少なかった

③飲酒をした

④いつもより長く、強い運動を行った

⑤薬を間違えた(多く飲んだなど)

 

こういう事が原因で、血糖値が下がりすぎてしまうことがあります。

 

下がりすぎたときにどのような症状が起こるのでしょうか?

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上の50㎎/dLは、あくまで目安です。

いつも測定している血糖値よりも極端に低いときは、早めに対処した方が、最悪の状況にならなくてよいでしょう。

特に空腹時の気持ち悪さを感じたら、すぐに血糖値を測定してもらって数値を確認する癖をつけておくといいかもしれません。

感覚を覚えておくと、外で測る環境にないときに、「この症状、この感覚・・・」と思ったら早めに早めに対処できますからね。

 

では、どのような対処をした方がいいでしょうか?

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ブドウ糖10gってピンと来ないですよね。ブドウ糖そのものを持っているならばよいですが、持っていないときはどうしましょうか?

 

コカ・コーラ三ツ矢サイダーなどの飲料水を利用することも可能です。

例えば、

コカ・コーラブドウ糖が45.2g/L含まれます。

10g以上必要なので、おおよそ221mLのコカ・コーラが必要になってきます

三ツ矢サイダーだと、ブドウ糖が38.2g/L 含まれるので、

10g以上に換算すると、おおよそ262mLの三ツ矢サイダーが必要

(医学と薬学2007, 57(2):193-197 参考)

ここのサイトに主な飲料水のブドウ糖量がありました。

共有させていただきます

糖尿病患者さんの間食(おやつ)指導の情報ファイル-飲み物編-糖尿病NET

 

そんなことを言っても、倒れるときは倒れます。

倒れた時に、「私は糖尿病です」「もしかしたら低血糖で倒れているかも」と周りの方に判断していただく手段して、1つのIDカードがあります。

www.nittokyo.or.jp

www.nittokyo.or.jp

ここのサイトは公益社団日本糖尿病協会で提供しているもので、血糖値を測定されて記録している患者さんのノートを見られた方や記入されている方は、こちらで紹介されているノートをみたことがあるかと思います。

 

先ほど申し上げた、私の身内にも倒れた時用に所持していただいています。

こちらは、病院を通さなくても、自分で申し込みをして手に入れることが出来ます。

1型糖尿病が青色で、2型が緑色ですね

 

これを見た医療関係者の方々も、倒れた時様など糖尿病の患者さんに所持していただくようにご紹介されてもいいかな?と思います

 

 

 

11月は、「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」

あむろ、いきまーす!

 

【抗菌薬の始まり】

抗菌薬が表舞台に登場したのは、1928年 アレクサンダー・フレミングペニシリンを発見したことがきっかけと言われています。

 

しかし、その18年前(1910年)に今は使われていないが、パウル・エールリッヒ(1873年―1915年)と秦佐八郎(1873年―1938年)によって、梅毒治療に用いられていた「サルバルサン」という薬が、世界初の合成化学療法として開発されていました。

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彼らが、開発する物語はどこかで書くとしましょう。

 

さて、

サルバルサンやペニシリンが発見されるまで、その当時原因不明だった、梅毒や脚気コレラなどの疾患に対する治療方法は主に3つ行われていました。

ヒ素亜鉛、水銀など有毒物質を成分とする薬剤の投与

②下剤や嘔吐剤による胃腸洗浄

③大量の血を抜く潟血

 

それらが、抗菌薬の発見と開発によって、治療方法が飛躍的に進歩しましたね。

お薬を飲むだけでいい。点滴に入れて投与するだけで良い ああなんていい時代だ。

 

そんな、

科学技術の進歩によって、1987年までに主な抗菌薬が開発されていきました。

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日本化学療法学会雑誌 Vol.65 No2 抗菌薬を概観する より作成

 

【薬剤耐性菌というもの】

どんどん開発されていく抗菌薬。

そんな未来を見透かしたかのように、かのフレミングは、ノーベル賞受賞時講演(1987年)でこう発言しました。

「やがてペニシリンがお店で誰でも買えるときが来るかもしれません。そのとき、無知な人が安易に、過少な服用を行い、菌を殺すに至らない量の薬を微生物に暴露させることによって、菌を耐性化させる恐れが出てくるかもしれません」

抗菌薬が効かなくなる AMR(薬剤耐性)との闘いに人類は勝てるのか?忽那賢志 監訳 丸善出版より

 

多くの抗菌薬で自分たち細菌が殺されていく中、彼らも生き残るために必死なのです。

そんな細菌たちが、抗菌薬に対する耐性を獲得して生き延びよう!!!

とした結果、抗菌薬耐性菌というものが誕生! そして増加!!

 

さぁ 薬剤耐性菌とはどのようなものなのか、1つ例を挙げてみよう。

ヒトの皮膚に常にいる細菌と言われている、黄色ブドウ球菌というものがいる。

黄色ブドウ球菌に対して、先人は メチシリン という抗菌薬を使ってきました。

しかし、その抗菌薬に耐える能力を獲得した黄色ブドウ球菌が出現!!

 

くそっ、なんということだ。

 

僕らは彼らを、「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)」と名付けた。

そのMRSAの耐性率が、1984 年には 6.2%であったものが、1987 年には 58%へと急増したとの報告があります。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(National Action Plan on Antimicrobial Resistance)2016-2020 厚生労働省資料より https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000120769.pdf

 

そんな耐性を獲得した菌が増えてきたのには、いくつかの理由があります。

  • 同じ抗菌薬を何回も繰り返し使用してきた。
  • ウイルス感染を疑われる症例でも抗菌薬を使用してきた。
  • いろいろな細菌に効果的な抗菌薬でも使用してきた。
  • 患者さんが処方された抗菌薬を途中でやめてしまう
  • 医療機関における不十分な院内感染対策。
  • 手指衛生や環境整備が不十分だった
  • 畜産業、養殖などにおける抗菌薬の過剰な投与
  • 新しい抗菌薬の開発が遅れた

そして、医師もなるべく患者さんの気持ちに寄り添いたい、楽になって欲しい、処方することで、安心してもらえるならと抗菌薬を出していたことも、もしかしたらあるのかもしれないですね(想像ですが)。

抗微生物薬適正使用の手引き 第一版より P31-32

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000166612.pdf

 

 

そんな中で、薬剤耐性菌に対して僕らが出来ることはなんだろう?

僕なりに調べて考えてみました。

1.外から帰ってきたら、手洗い・うがいをしっかりしよう

2.ワクチン接種をしよう

3.咳が出るときはマスクをするなど、咳エチケットを守ろう

4.抗菌薬を欲しがらないようにしよう

 

 

最も単純な方法は「手洗い・うがい」だ

手洗い・うがいとは、感染拡大を防ぎ、家族や周囲の人を守るという、単純かつ重要な任務なのだ

病原菌を全滅させる手洗いの方法は、「石鹸と水を使って15~20秒の手洗い」

コレ、結構長いですよ。

 

あいみょんマリーゴールドなら、ちょうどイントロ部分ですね。

秦基弘の鱗も、ちょうどイントロ部分だ

斉藤和義の歌いたいのバラッドなら「ああ・・・歌うことは・・・」まで

ザ・ブルーハーツリンダリンダなら、「ドブネズミみたいに、美しくなりたい」までか・・・

 

 

 

心不全辺りの復習。

(慢性)心不全

心臓と肺と全身のめぐり ざっくりとこんな感じですね。

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急性心不全の病態動態を4つに分ける 分類方法がありました。

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前負荷がかかる=心臓の前が負担かかっているので、肺に血液がたまる=うっ血すると考えてよさそうですね。

心臓の仕事量がたまってくる=仕事がたまって機能が落ちると考えると全身の血の巡りが悪くなってくる=末しょう循環不全と考えられるのでしょう。

 

心不全で左心室駆出率による違い

資料を読んでいくとHFpEFとかよく分からない単語が出てきたので、飛ばしていたんですが、この機会にまとめてみました。

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で、ちょっとだけ具体的な薬をあてはめてみると、

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ということらしいです。これエビデンスあるらしいですよ。

そこで、心不全治療の大規模臨床試験を時系列にまとめてみる

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で、ここのβ遮断薬のうち、カルベジロールビソプロロールは保険適応してて、メトプロロールは日本では保険適応してないのがポイント(僕的な)

これらが反映されて、各添付文書を見てみると

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こうなってた。(以前の記事にも乗せたやつです)

 

薬と健康の週間だってばよ

薬と健康の週間

平成30年10月17日~10月23日

【薬と健康の週間は何故始まった?】

1949年(昭和24年)に「全国薬学週間」が開催されたことをきっかけとして、
1978年(昭和53年)から「薬祖神祭の日」である10月17日を初日とする1週間を、「薬と健康の週間」として活動を始めました。

こちらの行動は、「厚生労働省」「都道府県」「日本薬剤師会」が実施している一斉行動です。

わが国で医薬の祖神と言われているのは、大己貴命(おおなむじのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の二神で、
共に国土経営に尽力され、薬の術や医道、酒造諸々を教えたと「古事記」や「日本書紀」「風土記」等に述べられています。
http://www.yakujikyo.or.jp/festival/history.html より

 

【主にどんなことをしているの?】
薬剤師の役割や薬の正しい使い方を周知させるために

お薬相談会、医薬品の適正使用に関する講演会・展示会、薬物乱用防止キャンペーンの実施、こども調剤体験コーナーの開催、ラジオCMの制作・放送、啓発資材の作成・配布、市民参加型シンポジウムの開催、テレビCMの放映などなど。


すごく沢山の活動があるんですね!!

 

さて、薬はいつごろから関わりがあるのだろう?

薬にかかわる歴史を調べてみました。主に日本人の・・・

1887年 長井 長義(ながい ながよし) 麻黄からエフェドリンの抽出に成功
1889年 北里 柴三郎(きたさと しばさぶろう) 破傷風菌の純粋培養法を確立
1894年 高峰 譲吉(たかみねじょうきち) 消化酵素「タカヂアスターゼ」の発明
1897年 志賀 潔(しが きよし)赤痢菌の発見、
1910年 秦 佐八郎 (はた さはちろう)サルバルサンの開発(エールリッヒと共同)(世界初の合成化学療法医薬品)
1928年 アレクサンダー・フレミング ペニシリン発見

 

なんと!! 
当時、抗菌薬のペニシリンが発見される18年も前に
世界初の合成化学療法医薬品の開発は、パウエル・エールリッヒと秦の研究で誕生していたのです。

 

その秦がエールリッヒの元に派遣される前には、志賀潔がエールリッヒとサルバルサン合成のきっかけとなるトリパンロートという薬品の研究に携わっていました。
更に、秦と志賀をエールリッヒの元に派遣したのは北里大学の北里先生なのです。
北里先生は、森林太郎森鴎外)とも接点があったり、野口英世が学んでいたりと歴史上の名を残している人物と関わりがあるんですねー

 

それにしても、
このペニシリンの開発がきっかけで、多くの感染症治療と開発が飛躍的に進歩しました。
しかしながら、ペニシリンをはじめとする抗菌薬を安易に使ってしまうことで、抗菌薬が効かない環境が出てきてしまいました。これを薬剤耐性といいます。

 

この状況を、ノーベル賞受賞時の講演で、フレミングはこう予言?していました
「やがてペニシリンがお店で誰でも買えるときが来るかもしれません。
そのとき、無知な人が安易に、過少な服用を行い、菌を殺すに至らない量の薬を微生物に暴露させることによって、菌を耐性化させる恐れが出てくるかもしれません」

続きは、11月第3週にWHOが定める「世界抗菌薬啓発週間」で。


あれ、薬の正しい使い方の話じゃなくなっている??

 

 

トラムセット+プリンペランの併用って長期処方が多いですか?

今日はトラムセット+プリンペランの併用で調べたことです。

以前、

medical.nikkeibp.co.jp

山本雄一郎の「薬局にソクラテスがやってきた」の記事にもありました。

この記事を以前読んでからは、少し気にするようになった影響なのでしょうか
トラムセット+プリンペラン(もしくはドンペリドン)の併用はよく見かけています。
それも長期でDo処方

副作用については、吐き気、嘔吐についても気になりましたが、
それよりもメトクロプラミド長期投与による錐体外路症状の出現がないのかが気になりました。

 

その理由のひとつとして、

僕個人的に、20年くらいメトクロプラミドを消化器疾患のため服用しています。
時々、会議とか講義で大人しくしなければならないときに、足をじっとしていられない感覚に襲われます。
これはもしかして、アカシジアの一種なのだろうか?と考えるときがありますが、自分のなかでの出現頻度は低いため、アカシジアのリスクよりも、疾患に対応するベネフィットの方を選択して服用を続けています。

 

さて、話は戻して・・・錐体外路症状の頻度について何か情報はないのかと

メトクロプラミド 錐体外路症状 頻度 でググってもめぼしい情報には当たりませんでした。
(検索のしかたが下手なのかもしれないが・・・)

 

次に
僕の務める薬局では、ある医療機関からのセットになっている処方が多いので、そこの先生の処方頻度を分析してみました。
詳しい数字は社内のものなので、公開は出来ませんが、大まかに行ったことは

①トラムセット+プリンペラン
②トラムセット+メトクロプラミド(つまりGE)
③トラムセット単独
③トラマール+プリンペラン
④トラマール+メトクロプラミド
⑤トラマール単独
のそれぞれの数を1年間で限定して調査。
そこから、処方変更になった症例、継続投与の症例などを追跡
メトクロプラミドによる錐体外路症状が出現していないのか?

結果として、(設定した期間では)
錐体外路症状を疑い中止になったケースは無し。
吐き気が問題になって中止になったケースもなし。
症状(痛みが緩和されて)処方変更になったケースは数件
といった感じでした。


意外に、錐体外路症状が起こる確率は少ないのでしょうか?
それとも調査対象が数十人単位なので、出てこなかっただけなのか?
(設定した期間外であるここ数日は、メトクロプラミドで食欲変化やトラムセットの吐き気で処方変更などが出ました)

もう少し続けて調べてみようかと思います。

 

さて、上記の記事にもありましたように
トラムセット、主にトラマドールによる吐き気や嘔吐が生じるのは投与初期(1週間くらい)と捉えています。

トラムセットのインタビューフォームにおいても、1週間目が発症例数として多いですね。

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1次資料があるのか探してみましたが、社内資料でした。

今度、資料をみせていただけるかメーカーさんに電話してみようかな?

 

調査をした後に、上記のような症状があった患者さんがいたので、調査したレポートとまとめて、服薬情報提供書を提出してみましたが、特に今のところアクションは無いです(泣)

 

【感想】

今回初めて処方を分析して、薬歴と突き合わせることをしてみましたが、面白いですね。それに伴って自分もしっかり後から追えるような薬歴を書かねばと肝に命じました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

立てよ薬剤師ープロジェクト ブログを書く理由

#立てよ薬剤師 プロジェクト

全ての始まりには歴史がある

そう、立てよ薬剤師 と薬剤師が立ち上がったのにも歴史という背景がある

それは遡ること1年前…

いや、もしかしたら5年前にまで遡るかもしれぬ

 

ともあれ、

昨年話題になったこのプロジェクト

今年の日本薬剤師学会学術大会のポスター発表でも発表があった。

参加された諸君らは見ただろうか

www.congre.co.jp

 

という訳で

今年は参加させていただきます!!

テーマは大雑把にいうと

ねぇ、なんで薬剤師のブログ書いているの?

僕は①知識のアウトプットのため!!
ここ1、2年臨床に接した色々な本が誕生しています。
以前みたいに、ザ☆薬学教育 的なものだけでなく、服薬指導に関連するものや沢山出てきている同種薬の結局使い方はどうなのか?といった本が増えてきているのが特徴的です。
それらの本を読み漁ったり、添付文書やインタビューフォームを読んである程度の予測を立てています。
しかし、それをインプットしただけだと、

実際に現場で使うときに「使えない」「覚えていない」ことが沢山ありました。
そこで、「本当に理解が出来たのか?」と文章にしてみたり、図にしてみたりすると客観的に評価することが出来たのです。
そしてそれを

ブログやツイッターを通して共有していくと、他の先生方からのアドバイスや共感を頂いて更なるやる気が引き出されます!!
あとは、図の作成を続けていくと
スライドを頼まれたときに困らないくらいの技術を身に着けられたらいいなあ。

まぁ、仕事は奪いにいかないといけないですけどね^^

 

 

そして忘れてはいけないのが
②薬剤師は医薬品の安全な供給が仕事!!
安全で、安定な供給は、医薬品そのものだけじゃなく、
医薬品を取り巻く情報の安全な供給をしなければいけません!!

 

薬剤師法第一条 
薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

薬剤師法


近年、Google検索における医療情報の不適切なランキング?で並べられているようです。
医薬品の名前を検索すると、ネット販売の検索が上がってきたりします。
どうせ上がってくるなら、僕たちでなるべく正確な知識で上位に埋めてやろうじゃんか!!!
と時間はかかりますが、なるべく正確な知識を発信していこうと思っています。

  

 盛り上がれ!!立ち上がれ 薬剤師!!

健康な高齢者にアスピリンを投与するとどのような影響がありますか?

Effect of Aspirin on Disability-free Survival in the Healthy Elderly
September 16, 2018 DOI: 10.1056/NEJMoa1800722

PMID:まだ載っていなかった?

P:70歳以上、オーストラリア、米国
E:アスピリン(100㎎)と服用 n=9525
C:プラセボを服用 n=9589
O:プライマリアウトカム:死亡、認知症、障害(複合アウトカム)
セカンダリーアウトカム:死亡、永続的な身体障害、主要出血性イベント

追跡期間:(中央値):4.7年

結果
プライマリアウト 1.01(0.92 to 1.11) P=0.79
セカンダリーアウトカム
死亡:1.14(1.01 to 1.29)
永続的な身体障害:0.85(0.70 to 1.03)
主要な出血イベント:1.38(1.18 to 1.62)
認知症:0.98(0.83 to 1.15)

盲検化しているか → randomized, placebo-controlled

ITT解析しているか → intention-to-treat(ITT解析)

1次アウトカムは明確化 → 明確

アウトカムは真か? → 真

吟味結果
服用してもしなくても、差は無かった。むしろ(セカンダリーアウトカムだが)出血と死亡率は増えるかもしれない
認知機能には影響を与えないかもしれない。
プライマリアウトカムが複合アウトカムなので、個々で見たら差が出るのかもしれないですね
漫然と投与を開始することを考えたら出血リスクを天秤にかけて少なくなるかも?
もし、(予防で使う)アスピリンを中止することが出来たなら、PPIも減らせる機会にかも?

ちなみにDAPTの期間も様々なstudyがでていいますが、完全な期間の決着がついていないので、こういう結果が今後影響されてくるかもしれないのかな


ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事は、特定の医薬品の推奨等する記事ではありません。
医師薬剤師と相談の上適切な医薬品使用を行ってください。