お薬のこと

お薬に関するメモやクリニカル・クエスチョンを中心に載せていきます。皆様の学習のヒントになれば幸いです。

立てよ薬剤師ープロジェクト ブログを書く理由

#立てよ薬剤師 プロジェクト

全ての始まりには歴史がある

そう、立てよ薬剤師 と薬剤師が立ち上がったのにも歴史という背景がある

それは遡ること1年前…

いや、もしかしたら5年前にまで遡るかもしれぬ

 

ともあれ、

昨年話題になったこのプロジェクト

今年の日本薬剤師学会学術大会のポスター発表でも発表があった。

参加された諸君らは見ただろうか

www.congre.co.jp

 

という訳で

今年は参加させていただきます!!

テーマは大雑把にいうと

ねぇ、なんで薬剤師のブログ書いているの?

僕は①知識のアウトプットのため!!
ここ1、2年臨床に接した色々な本が誕生しています。
以前みたいに、ザ☆薬学教育 的なものだけでなく、服薬指導に関連するものや沢山出てきている同種薬の結局使い方はどうなのか?といった本が増えてきているのが特徴的です。
それらの本を読み漁ったり、添付文書やインタビューフォームを読んである程度の予測を立てています。
しかし、それをインプットしただけだと、

実際に現場で使うときに「使えない」「覚えていない」ことが沢山ありました。
そこで、「本当に理解が出来たのか?」と文章にしてみたり、図にしてみたりすると客観的に評価することが出来たのです。
そしてそれを

ブログやツイッターを通して共有していくと、他の先生方からのアドバイスや共感を頂いて更なるやる気が引き出されます!!
あとは、図の作成を続けていくと
スライドを頼まれたときに困らないくらいの技術を身に着けられたらいいなあ。

まぁ、仕事は奪いにいかないといけないですけどね^^

 

 

そして忘れてはいけないのが
②薬剤師は医薬品の安全な供給が仕事!!
安全で、安定な供給は、医薬品そのものだけじゃなく、
医薬品を取り巻く情報の安全な供給をしなければいけません!!

 

薬剤師法第一条 
薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

薬剤師法


近年、Google検索における医療情報の不適切なランキング?で並べられているようです。
医薬品の名前を検索すると、ネット販売の検索が上がってきたりします。
どうせ上がってくるなら、僕たちでなるべく正確な知識で上位に埋めてやろうじゃんか!!!
と時間はかかりますが、なるべく正確な知識を発信していこうと思っています。

  

 盛り上がれ!!立ち上がれ 薬剤師!!

健康な高齢者にアスピリンを投与するとどのような影響がありますか?

Effect of Aspirin on Disability-free Survival in the Healthy Elderly
September 16, 2018 DOI: 10.1056/NEJMoa1800722

PMID:まだ載っていなかった?

P:70歳以上、オーストラリア、米国
E:アスピリン(100㎎)と服用 n=9525
C:プラセボを服用 n=9589
O:プライマリアウトカム:死亡、認知症、障害(複合アウトカム)
セカンダリーアウトカム:死亡、永続的な身体障害、主要出血性イベント

追跡期間:(中央値):4.7年

結果
プライマリアウト 1.01(0.92 to 1.11) P=0.79
セカンダリーアウトカム
死亡:1.14(1.01 to 1.29)
永続的な身体障害:0.85(0.70 to 1.03)
主要な出血イベント:1.38(1.18 to 1.62)
認知症:0.98(0.83 to 1.15)

盲検化しているか → randomized, placebo-controlled

ITT解析しているか → intention-to-treat(ITT解析)

1次アウトカムは明確化 → 明確

アウトカムは真か? → 真

吟味結果
服用してもしなくても、差は無かった。むしろ(セカンダリーアウトカムだが)出血と死亡率は増えるかもしれない
認知機能には影響を与えないかもしれない。
プライマリアウトカムが複合アウトカムなので、個々で見たら差が出るのかもしれないですね
漫然と投与を開始することを考えたら出血リスクを天秤にかけて少なくなるかも?
もし、(予防で使う)アスピリンを中止することが出来たなら、PPIも減らせる機会にかも?

ちなみにDAPTの期間も様々なstudyがでていいますが、完全な期間の決着がついていないので、こういう結果が今後影響されてくるかもしれないのかな


ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事は、特定の医薬品の推奨等する記事ではありません。
医師薬剤師と相談の上適切な医薬品使用を行ってください。

EMPA-REG試験を読んでみました

EMPA-REG OUTCOME

N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2117-28. doi: 10.1056/NEJMoa1504720. Epub 2015 Sep 17.

www.ncbi.nlm.nih.gov

PMID:26378978

P:2型DM、心血管リスクの高い人、18歳以上、HbA1c7.0~9.0、n=7020
E:エンパグリフロジン 10㎎、25㎎(n=4687)
C:プラセボ (n=2333)
O:心血管イベントによる死亡率、入院

ITT解析→してる
ランダム化→RCTなので、してる
盲検化→doubleblindなので、してる

 

【結果】
プライマリoutcome:HR:0.86、95%CI(0.74to0.99)p=0.04
心血管死:HR:0.62 95%CI(0.49 to 0.77)
全死亡率:HR:0.68 95%CI(0.57 to 0.82)

 

【感想】
結果として有意差が出て、心血管リスクの高い人の死亡率などを減らした様に見えますが、
エンパグリフロジンの投与は10㎎群と25㎎群がいるのに、プライマリアウトカムの結果としてはエンパグリフロジンだけしか記載がありません。
10㎎群だけはどうなったの?25㎎群だけはどうなったの?
すこし疑問が湧いてしまう結果です。

OTCの解熱鎮痛薬をまとめました

OTCの解熱鎮痛薬って色々ありますよね。
以前はバファリンと言ったらひとつ位しか無かったとおもっていたのですが、何種類も出ていて、主配合成分が弱冠異なっていました。

どれがどれなのか分からなくなってきた&一回一回調べるのが大変なのでまとめてみました。f:id:nitrotake8:20180831233644j:plain
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同じ配合のものがあるんですね。
これだと採用を考えるときや代替薬の提案の参考になりそうですし、他のドラッグストアさんに誘導させていただくときに、お伝えすることが出来そうです。

****追加***
けいしゅけさんのページに参考になる記事が更に詳しく解説してくださっています!!

https://keisyuke-blogyakkyoku.xyz/%E5%B8%82%E8%B2%A9%E3%81%AE%E3%83%90%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%83%B3%EF%BC%98%E5%93%81%E7%9B%AE%E3%81%AE%E6%88%90%E5%88%86%E3%83%BB%E9%A3%B2%E3%81%BF%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%83%BB%E5%AF%BEkeisyuke-blogyakkyoku.xyz
****追加終了****
意外とありそうで無かったのでまとめを今回は作成してみました。
皆様の参考になれば幸いです。

この記事は特定の医薬品を推奨する記事ではありません。ご注意ください

OTC パブロン®シリーズ

今回はパブロン®シリーズです

 

13種類もあって、まとめるのに「マジか!!」「多いな!!」

と正直に思いました。

でも、よく見てみると

錠剤と微粒で構成成分が同じものが出ているのですね

つまり、この構成成分が飲みたいけれど、錠剤は苦手or粉薬は苦手のパターンの人には、どちらかを選択することが出来るのが強みだと思いました。

パブロンメディカルNには、プソイドエフェドリン含有なのが注目かも。

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参考になれば幸いです。

特定の製品を推奨する記事ではありません

 

薬学教育学会を参加した感想

薬学教育学会に参加してきました。
久しぶりに大学の教授と話していて、今のカリキュラムも教育方法も変わってきているようです。
もちろん国家試験という壁はあるけれど、その先を見た教育になってきているのかなという印象を受けました。

EBMのシンポジウムを聴いてきまして、思ったことと言っていたことをツラツラと。


現場の薬剤師に対してEBM教育をするときに、指導する人が必要だ
まず指導する人を育てなければならない

また、現場で数年仕事をされてきた中で、「特に変わりたくない」など意識がある人にとっては、EBM教育をするのは至難の技かもしれない。

そこで学生に、EBM教育をしてみる
医療職としての意識を持って、薬学に入っている人には興味を持ってもらえるだろう。
1~3年では、とくに前景疑問にあたる基礎知識をしっかり勉強してもらう。その上で4年生あたりから、仮想症例をベースにSGDをしながら治療に対する妥当性を考えていく
私個人的には、4年生のときに理想症例や処方を基に行って、5年生で実務実習に参加後の実際の問題点に触れた後に症例を検討していくと意識が変わるのだろうかと気になる点がある。

4年生でPECO/PICOを組み立てて、検索する。症例に対する妥当性を考えることが出来たとしよう。
それで実務実習に参加した時に、指導薬剤師や他の同僚薬剤師が実践していないではなく、やり方を知らなかった場合、実習生の落胆は大きいものではないだろうか?
「じゃあ、読んでみよう」
それをどう現場に反映させているかが問われてくる

対物業務から対人業務ではなく、対物業務「と」対人業務

患者さんとコミュニケーションを取りながら、渡すだけになる
アセスメントをしないで渡すだけになる
これでいいのか?
貴方がよくても、世界はよくない

学生と現場の薬剤師どちらに教育をすればよいではなくて、どちらにも教育をしていかないと、薬剤師全体の底上げにならないのだろう


大学と現場の薬剤師を繋げるものがもっと必要なのだ

大学の教育に曖昧なものが許されないのは、以前教授から聞きました。
学生には曖昧なものを教えてしまうとより混乱させてしまう。 まずは正しい道筋を教えていかなくてはならない

でも現場は曖昧なものが沢山。
なんでその薬なんだろう?なんでこの量なんだろう? 医師がそういっているのだから 意外に理論的じゃない
少し理論的になるとエビデンスの話になるけれど、エビデンスも絶対じゃない
こうしてもいいんじゃない?という指標に過ぎない

学生には種を蒔くことが出来たら、その未来は少しだけ違うのかもしれない。

OTC エスタックイブ®シリーズ

今回はエスタックイブ®シリーズです。

鼻水!とかのどの痛み!とか結局どれを買えばええねんってなります。

成分表を良く眺めてみたら、ほぼほぼ同じ構成なんですよね。

微妙な違いってどこなのか まとめてみました。

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前回同様に成分を書き連ねて見ましたが、分かりにくい!!

どこが違うのか一目でわからなかったので、別の視点で模式図にしてみました。

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こうやって足し算したり、引き算したりして構成されているのですね。

基本構成成分はエスタックイブ®であることみたいです。

皆様の参考になれば幸いです。

特定の商品を推奨する記事ではありません。